‘京都に居る間に行っておきたいお店リスト’を作ったのですが、これが意外と…少ない(笑) あれ、おかしいなぁ。 回り切れないほど出てくると思っていたのだけれど。
‘美味しいと思う飲食店’は沢山あるんです。 でもね‘また行きたい’と思える所、そして実際に何度もリピートする所って意外と多くない気がします。
リピートしたい飲食店は、決して味だけでは決まりません。 もちろん味も大切ですよ。でもね、清潔感(汚れ、ニオイなど)・接客・流れる時間・雰囲気も同じぐらい大切なポイントだと思っています。
それから一緒にいた人、自分の状態(体調や心境)など。
だからね、リピートしないのは飲食店が悪いわけではないこともあるのです。
先生は最近忙しくて2週間に1度ぐらいしかお休みが取れないので、貴重な休日はのんびり過ごせる所でランチをするようにしています。
先生に 「京都にいる間に行っておきたいレストランは?」 と聞くと、予想通りの答えが返ってきました。
先日その中の1つ
Fiorisca (フィオリスカ) http://www.fiorisca.com/ へ。
この日は平日でしたが予約で満席でした(行かれる方はぜひ予約をなさって下さい)。
シェフ=渡部さんの作るお料理はとにかく繊細で、余計なものが加えられていないので雑味が全くなく素材の良さがとても感じられます。
ランチは¥2000、¥3000(前日までに予約をすれば¥6000のディナーコースも可)があります。 私たちは¥3000のコースをいただきました。
1杯目、先生はスプマンテで私は白ワイン…だったのですが、こちらのスプマンテが気に入ってしまって白ワインの後にすぐに私もスプマンテをいただきました。
最初の一口目、つまり空腹時には切りたてのイチジクの香りがふわっと広がったのですが、お料理が始まり口に含むと、今度はほんのりマンゴーのような風味も感じたのです。
ワインって面白いなぁ。
金時豆のスープ
金時豆とお水と塩だけ、とはとても思えない程の旨味を感じました。 毎回この最初のスープだけで「渡部さん天才!」と思うのです。
前菜は手前から時計回りに、さごし=鰆のカルパッチョ、鶏胸肉の生ハム 香草のマヨネーズ添え、お野菜のピクルス、イタリアンオムレツ、ベーコンと煮た里芋、グジェール(中は豚のリエット)、あおさのフリット、そして真ん中はフォカッチャ&生ハム。
1品1口ずつ、だけど幸せがギュギュギュッと詰まっています。
パンはクルミパンとフォカッチャ。
手打ちのタリオリーニ ほうぼう・芽キャベツ・トマトソース。
トマトソースなのにサラッとしていて、スルスルいただけてしまいます。
苺(あまおう)とゴルゴンゾーラのリゾット。
驚きな組み合わせですがいただいてみると違和感はありません。 日本米には粘り気があるけれど、こちらはイタリア米なのでお米1粒1粒がピンッと元気でサラリとしています。
この複雑なリゾットに合うワインって… 何だろう? ちょっと思いつかないなぁ。
メイン料理はお肉を選択したので赤ワインをいただきましたが…
こちらのお肉料理だったら白ワインでも合うと思いました。 お肉だから=赤ワインではないのですよね。
豚フィレ肉はささみの様な美しいピンク。 脂が全くないのにここまで柔らかいなんて…。 そして雑味も全くなく、旨味は感じるのにスッと消えてしまう儚さが。
手前も奥も豚肉、部位も同じフィレなのですが、奥は上にバターとアーモンド、そしてほのかにレモンの香る薄い生地がのっています。
ポーションは小さいのに、とても儚いお料理なのに、私の心を離さない一皿でした。
デザートは手前から黒糖のジェラート、ババ(金柑シロップ)、スコーンに見えるけれどこちらはバナナプリン。
食後はエスプレッソで〆。
うーーーん。
どれも唸る美味しさと感動がありました。
渡部さんは‘シェフになるために生まれてきた人’だと私は思います。
沖縄にもいるかな、繊細で天才肌のシェフ。
実はフィオリスカ、3月初めにもランチの予約をしていて今からとっても楽しみなのです。
行く度に感動し、益々好きになっていくイタリアンレストランです。